マレーン・クーチャンス(Marijn Coertjens)は13歳でショコラティエの道に進み、2007年・2015年にワールド チョコレート マスターズ ベルギー大会で優勝。同世界大会では2015年に3位に。ペニンシュラ香港でシェフショコラティエとして活躍後、2016年に自身の店をベルギーのゲントにオープンしました。2018年に日本での活動を開始。今年で4回目のバレンタインイベントの参加となります。
阪急阪神百貨店による Zoom を使ったオンラインセミナーに参加しました。
講師はマレーン・クーチャンス氏で、ゲントにあるブティックからのオンライン開催です。
まずはブティックの紹介として、シェフが歩きまわりながら店内を映してくださいました。お客さんからも丸見えのオープンキッチンシステムは、顧客と職人両方からお互いが見えることでリスペクトが生まれることを期待して設計したとのこと。店内のライトはオリジナルデザインで泡立て器をモチーフにしたと言っていました(私はてっきりカカオポッドをモチーフにしたんだろうと思ったのですが、そうですか、泡立て器でしたか)。今年の新作テーマーはレインフォレストということで、店内に熱帯雨林のディスプレイが作られていました。壁にはカカオの木からチョコレートが出来るまでの説明付きの写真が飾られていて、カカオやチョコレートについて知識を深められるように工夫されているそうです。
続いて、最新作についての説明です。
セミナーに先駆けて、試食の 4 品が自宅に届きました。赤紫色のパッケージが刺激的。中央に銀色で指紋模様のカカオポッドが描かれているのですが、プリントには剥がれたような欠けがあります。もちろんこれはプリントのエラーではなく、正当なブランドロゴです。面白いですね。
中には、マレーン・クーチャンス 2021 新作コレクション “ Welcome To The Jungle ” コレクションから 4 品が入っていました。
円盤型の二つは、レインフォレスト(RAIN FOREST)のもの。商品説明によると「熱帯雨林に息づく動植物からインスピレーションを得たボックス。独自手法のエアブラシで作り出す美しい柄と、スパイスやナッツ、ハーブなどを組み合わせたフレーバーが魅力。独創的な美しいデザインとフレーバーのマッチングをお楽しみください」とのこと。
スネーク(Snake)は緑の網目模様が入った円盤型のボンボンショコラ。ダークチョコレートと黒コショウプラリネの組み合わせです。
塩キャラメルと黒胡椒の組み合わせはスイーツでは珍しいけど、料理ではよく使われているから採用してみたそうです。
タイガー(Tiger)は茶色の虎模様が入った円盤型のボンボンショコラ。ダークチョコレートとチャイティーガナッシュの組み合わせです。
虎のパワフルさと繊細な色合いに、子供の頃から魅了されていると。北部インドに住む虎と同じ地域の味を合わせてみたくてチャレンジしたと。スパイスは自ら調合したオリジナルだそうです。
鳥の嘴の形をした二つは、トゥーカン(TOUCAN)のもの。商品説明によると「マレーンを幼少期から魅了し続ける色彩豊かなクチバシを持つオオハシ(Toucan bird)のクチバシをモチーフにしたカラフルなボックス。海塩をほんの少しだけ加えた果実味溢れるフルーツキャラメルフィリングが入っています。マレーンブランドとしては初めてラウンドとスティック型以外の形が登場」とのこと。
カシス(TOUCAN – Casiss)はくちばし型のボンボンショコラで、赤紫色で色付けされています。
マレーン氏にとってカシスは幼い頃から馴染みがある味で、やや苦味がある繊細な味わいが気に入っているとのこと。
断面を見ると、表面はホワイトチョコレート、底面がビターチョコレートになっています。口に入れたときに先にホワイトチョコレートが当たると甘すぎることを避けて、そういう設計にしたと言っていました。ワールド チョコレート マスターズ チャンピオンシップの際に時別に作ってブロンズメダルを獲得した作品です。
柚子(TOUCAN – Yuzu)はくちばし型のボンボンショコラで、黄色と緑で色付けされています。
口に含むと、ホワイトチョコレートのまろやかさに引き立てられるようにして柚子の酸味が広がります。
柚子に世界的なトレンドになっている。酸味が強いが、香りが複雑なことろが気に入っている。柚子と塩キャラメルの組み合わせはワールド チョコレート マスターズ チャンピオンシップのために特別に作ったもので、今回日本のセットにぜひ入れたいと思ったとコメントしていました。
彩色についてのこだわりとして、いつも見た目で味を想像できるように意識しているそうです。エアブラシによる手作業で色付けするため全く同じものは出来ないが、それは野生のオオハシのくちばしにも共通しているとの話には頷くばかりでした。
セミナー中、試食の感想を伝えたかったのですが、正直味わうのに必死でチャットしてる余裕がなかったのが残念。とはいえ、少数相手にシェフ自らの解説つきなのは贅沢に尽きます。これに味を締めて阪急セミナーの参加を追加で申し込んだことは言うまでもありません。コロナ禍だけといわず、オンラインセミナーは来年以降も開催してほしいなあ。
お値段はセミナー代(試食込み)で3,300円
総合点:☆☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆☆
値段:☆☆☆☆
その他:オンラインセミナーのコスパが良すぎて痺れます
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製品名:試食セット4個入り
種類別名称:チョコレート
原材料:<Tiger>砂糖、ココアバター、全粉乳、カカオマス、水あめ(小麦を含む)、チャイエキス(カルダモン、生姜、シナモン、クローブ、スターアニス、チリパウダー、ナツメグ)、バターオイル、ぶどう糖、転化糖、乳糖、ホエイパウダー、脱脂粉乳、焦がし砂糖、食塩/安定剤(グリセリン、ソルビトール)、乳化剤(大豆由来)、香料、着色料(二酸化チタン、青2、赤40、黄4)<Snake>砂糖、ヘーゼルナッツ、カカオマス、ココアバター、クリーム、バター、水あめ(小麦を含む)、香辛料(黒こしょう)、食塩、ゼラチン/乳化剤(大豆由来)、安定剤(カラギナン)、香料、着色料(黄4、青2)<Cassis>砂糖、カシス、バター、ココアバター、全粉乳、カカオマス、水あめ(小麦を含む)、転化糖、食塩、ゼラチン/乳化剤(大豆由来)、香料、着色料(青2、赤40、黄4、青1、二酸化チタン、コチニール)<Yuzu>砂糖、ゆず果汁、バター、ココアバター、全粉乳、カカオマス、水あめ(小麦を含む)、食塩、ゼラチン/乳化剤(大豆由来)、香料、着色料(青2、赤40、黄4)
内容量:4個
原産国:ベルギー
輸入者:(株)湖月
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下は、三越伊勢丹の通販で購入したトゥーカンです。 Japan Limited Assort となっており、アルチンボルドや国芳のようなだまし絵になっているアルファベット J が印象に残るものでした。
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