かつてエクアドルをカカオの生産で世界第三位にまで押し上げたナシオナル種という優良品種があります。ナシオナル種の独特のフレーバーは世界中のチョコレートファンに愛好されたので、その希少性とも相まって起源にまつわる数多くの噂が生まれ、絶滅から復活したドラマと共に、それらはいつしか神話のようになってナシオナル種の宣伝に使われています。
ナシオナル種はフォラステロ種の派生種だとか、クリオロ種の一種だとか、カカオ第4の品種だとか、エクアドルにしかない品種だとか、古来のナシオナル種は本当は失われたとか、エクアドルの大地で育てないと特徴的な味が出ないとか。
さらに、様々なブランドのものをテイスティングしていると、ナシオナル種といっても色々な味があることに気が付きます。ペルー産ナシオナル種の商品にも出会います。
どうやらナシオナル種には数多くの謎がありそうです。ここで、一旦は絶滅したとまで言われたナシオナル種の歴史を振り返りながら、その謎を紐解きたいと思います。
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