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鳴海章;もう一度、逢いたい

江戸川乱歩賞受賞作家の鳴海章(なるみしょう)は航空小説の書き手として知られていますが、「もう一度、逢いたい」は航空色は幾分薄く、幽霊の話を集めた短編集です。唯一「茅蝉が鳴いている」ではパイロット養成指導員の話として航空機の世界が広がっていました。確かに、他の短編よりも描写が細かく、そこに作家の航空機「好き」を伺うことができます。

「チョコレート・クッキー」も当然幽霊の話。
深夜のコンビニエンスストアでバイトをしている主人公が、居眠りから覚めて店内を監視するカメラのモニターをみると、黒いコートの髪の長い女性がお菓子のコーナーに立っていた。目を凝らすが、モニターの画像が粗くて顔ははっきりと見えない。そのうちにまた眠気に襲われ、次に目覚めたときには女性の姿はなかった。静まり返る店内を点検に回ると、お菓子コーナーの床にコアラが焼きつけてあるチョコレート・クッキーが落ちていたのでした。

幽霊が出てくる短編を集めたものだから、5編目のこの作品ともなると、読んでいる途中で「あぁ、この人物が幽霊だな」なんて水戸黄門の悪人当てみたいになってきます。

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