鹿島茂著「パリ・世紀末パノラマ館」は19世紀のパリの世紀末をパノラマ的に紹介したエッセイです。風俗、芸術、文化をイラストや写真たっぷりに紹介しています。
一編が短いので物足りなさを感じる部分もありますが、鹿島氏のまるで昔を懐かしむような語り口に引き込まれ、合理性よりもファション性を重視した時代のまったりとした時の流れに憧れます。そうとう臭かったようですが。
副題で「エッフェル塔からチョコレートまで」と出ているように、当然チョコレートについても触れていて、現在はネスレの傘下に入っているムーニエ社のシンボル・マーク「ムーニエちゃん」について取り上げています。かわいらしい少女が壁にいたずら書きしているポスターです。
19世紀のパリを鹿島氏の案内で観光しているような気分にさせてくれる本でした。面白かった。鹿島氏の本、もっと読んでみようかな。
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