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サロン・デュ・ショコラ2023 シーベジタブル

商品

サロン・デュ・ショコラ2023の開幕から遅れること5日、1月22日からイートインにシーベジタブルが新たに出店しました。午前中の休出後に新宿伊勢丹へ向かって1時前に到着。2時半入場の整理券をもらいましたが、実際には30分ほど待っただけで入れました。先行きよし。

目次

サロン・デュ・ショコラ2023イートイン シーベジタブル

この日のお目当てはシーベジタブル一択だったので入場してすぐ直行しましたところ、待機なしで席に通されました。

高知県室戸市のシーベジタブル(SEA VEGETABLE COMPANY)は、2016年4月に世界初となる地下海水を利用した海藻陸上養殖モデルを確立。海藻で人と地域を元気にする事業を展開しています。サロン・デュ・ショコラ2023のイートインが初めての出店です。

そもそも私がなんでシーベジタブルに興味を持っていたかというと、チョコレートと海苔の組合せが物珍しいということの他に、すし作家の酢飯屋岡田大介氏がこちらのすじ青のりを激推ししてたから。以前に岡田氏が豊洲市場内の資料室銀鱗文庫で個展をされていたのを拝見して、私が一方的に存じ上げているだけなんですけど、こういうのご縁っていうんでしょうね。

席の片隅に海藻三種、緑藻(緑)、赤藻(赤)、褐藻(茶)の三種がディスプレイされていました。今回こちらの三種それぞれにちなんだメニューが用意されているそうで、三色の立派なリーフレットが用意されていました。

イートインメニューは「すじ青のりのチョコレートケーキ」「昆布と黒糖、カカオニブのセミフレッド」「赤い海藻とカカオパルプのミルクムース」の三品。これにテイクアウト限定で「海のワイン」の提供がありました。さすがにいっぺんには食べられなかったので、日を分けて頂きました。食べた順ではなく、メニュー順にご紹介します。

すじ青のりのチョコレートケーキ

まず、緑藻をテーマにした「すじ青のりのチョコレートケーキ」です。構成としては、底からチョコレートビスキュイ、チョコレートムース、青のりガナッシュ、キウイフルーツ、すじ青のりパウダー、青のりチョコレートキャラメルクリーム、青のりカカオバター、チョコレートプレート、松の新芽。お値段は3000円。

商品説明によると「青のりとカカオは似たもの同士」「一見遠い存在ですが旨味があって香り高く、ほんのり苦味もあるという特徴がよく似ている両者。カカオを甘く加工してチョコレートができるように、青のりを甘く調理すると青のりが効いた美味しいデザートができあがります。キウイフルーツと松の新芽のほどよい酸味が、カカオと青のりの存在を引き立てて繋ぎます」とのこと。

そもそも松と海の組合せは「高砂や、この浦舟に帆を上げて」の『高砂』を連想して、睦月としておめでたいことこの上なし。勝手にテンションが上がります。

光の角度を調節すると、海面に見立てたチョコレートプレートにオーロラ光がきらめくのが、とてもきれい。こんな回折光を作るには表面に均質平行で微細なレイヤーがあるはず。どうやって作ったのかシェフに尋ねると、そういう構造色を作るシートがあってテンパリングの際に貼り付けるんだそうです。あぁ、ホログラムシートを転写してるのか。なるほどねー。

チョコレートプレートの周りを飾るのは松の新芽。食べてみると軽い酸味に繊維質な食感がある。キャラメルクリームやチョコレートムースといった口の中に長く留る濃厚なパーツが多いので、松葉はとてもよく考えられた組合せだと思いました。

キウイもそう。ケーキの断面を出してみたら厚く輪切りにされたキウイが現れて一瞬目を疑いました。

確かにメニューの断面写真にもはっきりキウイが写っていたのだけれども、実際に目にするまでこれが厚切りのキウイだとは思わず、てっきりジュレかなにかだと思い込んでいた節があります。ムースと馴染む程の柔らかでなお酸味が心地よいこちらのキウイは千葉産とのこと。

食べてみるまで、青のりとキウイがこれほどまでに相性がよいとは思いませんでした。表面に青のりをまぶされた厚切りのキウイはこのケーキで抜群の働きをしていて、重厚な緑色のチョコレートケーキに爽やかな酸味と水分を与え、種のつぶつぶ感による噛みごたえがさらに軽やかさをもたらしていました。青のりをスイーツに使う際に香りはともかくその苦味がともすれば雑味になりかねないところを、クリームのまろやかさでマスキングした上で松葉やキウイの酸味が救い上げているバランスが絶妙で、食べながら顔がにやけちゃうくらいに楽しかったのです。

とにかく細かやかな工夫が潜んでいました。例えば、キウイの下に挟まれたガナッシュには青のりの香りを移したミルクが使われているのだそう。あらゆる手段で青のりの風味をチョコレートと組合せ、それを破綻なく積み上げている事実には感心するばかり。「シェフすごい」って自然に声が出て、目が合ったフロアスタッフの方にシェフにぜひ伝えてあげてくださいと笑顔を返されました。

なお、こちらは三品の中で最も海藻が主張がしてて、食後にも青のりの風味がいつまでも残りました。飲み物が水しかない状態では若干重めのデザートではありましたが、この機会でしか食べられないとても貴重な食体験に、青のりを見る目が変わりました。

とてもよい食体験でした。
サロン・デュ・ショコラ2023、ありがとう(まだ、終わってないけど)。

昆布と黒糖、カカオニブのセミフレッド

褐藻をテーマにした「昆布と黒糖、カカオニブのセミフレッド」です。構成は、ローストした昆布の粉、セミフレッド(黒糖ケーキ、昆布ガナッシュ、松ぼっくりの新芽シロップ漬け、ベリーの果実に漬けた昆布、黒く発酵させたリンゴ、ヘーゼルナッツ、燻製したカカオニブ、昆布カスタードクリーム)、昆布ミルクチップ、キャラメリゼしたヒロメ(海藻)。お値段は2800円。

商品説明によると「焼き昆布とカカオの一体感」「昆布を焼いて乳製品と合わせると、香ばしさと旨味が凝縮されたコーヒーミルクのような味わいがします。酔うような香ばしい食材たちとダークチョコレートを合わせたデザート」とのこと。

巨大なアワビの殻を器にして頂きます。フィットするからと手に持つことを勧められました。
アワビの殻のお掃除は大変だったろうな。

アワビの好物は昆布なので、今回アワビの恩返し的な意味合いでアワビの殻に盛り付けたとのこと。殻の内側の真珠層が虹色に輝き、デザートをより美しく輝かせています。横から見ると貝がわずかに赤みがかっています。

殻の縁についている昆布パウダーを絡めて食べてくださいと言われました。

昆布の風味を移したカスタードクリームと黒糖ケーキがラフに混ぜ合わされたセミフレッド(半解凍のアイスケーキ)です。昆布ガナシュ、燻製したカカオニブ、若い松ぼっくりのシロップ漬けなど、あれやこれやと楽しい味がちりばめられています。まさに食べて楽しい味。表面を飾る二色のチップスは昆布を浸したミルクで作った乳膜を固めたものと昆布をキャラメリゼしたもの。どちらもパリッとしていながら口の中で軽く溶ける食感がよかった。昆布パウダーも美味しくて、粉にセミフレッドをこすりつけると旨味が増していい感じ。味も食感も様々。一つ一つの素材がコントラストを持って口の中で複雑に絡み合い、たくさんの美味しさに出会える仕掛けが満載です。貝の王様である鮑の器に恥じない見事なデザートでした。

赤い海藻とカカオパルプのミルクムース

紅藻をテーマにした「赤い海藻とカカオパルプのミルクムース」です。構成は、トサカノリ(海藻)のシート、プラムジュース、苺の求肥、ホワイトチョコレート、フイリグサ(海藻)とヨーグルトのソルベ、桜の葉のオイル、カカオパルプムース、ミルクビスケット、カカオパウダーと青のりパウダーです。お値段は2000円。

商品説明によると「赤い海藻にはカカオの果肉が合う」「赤い海藻=紅藻には酸味が抜群に合います。紅藻のトサカノリとフイリグサに、爽やかな酸味を持つカカオの果肉(カカオパルプ)と、フルーティな味にぴったりなホワイトチョコレートを合わせました」とのこと。

リムが大きく深さのあるお皿に、プラムジュースでより赤くなったトサカノリが紅葉のようにお皿を飾ります。

今回客席の中心にキッチンがあるので、デザートが組み立てられる様をつぶさに見ることができるのもライブ感があって楽しかった。働いている彼らの手際がとてもよくて気持ちがいいから、なおさらお料理が美味しく感じられました。

プラムジュースを底に敷いた上に桜葉のオイルをかけたヨーグルトのソルベ、ホワイトチョコレートを薄い苺の求肥で巻いたものを置き、それに盛るようにカカオパルプのムース、ミルクフォームのメレンゲを配置。カカオパウダーと青のりパウダーが振り掛けられ、トサカノリのシートでデコレーションしています。

こちらはイートインメニュー三品のうち海藻感が最も控えめだし、ホワイトチョコレートと乳製品の組合せで、食に挑む人でなくとも気軽に食べられそうなお品でした。

プラムジュースに浸されたトサカノリのシートはまるでグミのような食感です。ヨーグルトの酸味と桜葉の杏仁香が青のりの風味を繋いでいます。サクサクとしたメレンゲがムースと混ざり合う感じもたまらない。軽い口当たりの中で食感がすべて異なる部分に楽しさがあって、とても美味しかった。

海のワイン

テイクアウトだけの提供ですが「海のワイン」もありました。今回が初のお披露目となった商品だそうです。

海藻を発酵して作った微発泡飲料、つまりは海藻シードルの少し手前なイメージ。

今回残念ながらボトルでの販売はなく、紙コップでの提供でした。

マスカットのような酸味に海藻の旨味が交じるドリンクです。酸味と発泡の感じは自然だし、キリッと冷やされていて飲みやすい。海藻の香りが控えめながら漂う。でも、アミノ酸多めの磯の香りがどうしてももずく酢的なものを連想するからもっと糖分を分解させなきゃ。これは焼いた鮎と楽しみたい味かも。今後酒税法のクリアを願います。

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気持ち悪い長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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