乃し梅本舗佐藤屋;はなごころ
山形県の乃し梅本舗佐藤屋は創業が文政四年(1821年)という創業からもうすぐ200年になろうとしている老舗。看板商品の乃し梅は、元は長崎から気付け薬として持ち込まれた梅の秘薬が始まりとされ、明治期に菓子となったものだとか。
松屋銀座のバレンタイン催事、ギンザ バレンタイン ワールドではなごころを買いました。パッケージは蓋身式の化粧箱で黒地のシンプルなもの。撫子や芥子等草本模様が描かれた帯が巻いてあります。素敵な梅模様のショッパーつき。
花心には華やかな心や風流心という意味の他に移りやすい心の意味もあるようで、なかなかに意味の深いネーミングです。
中には3種の生菓子がそれぞれ2個ずつとプラスチック製の爪楊枝が2本入っています。商品を覆うポリシートが梅柄なのが可愛らしい。 言葉を尽くした商品説明書から作り手の想いが伝わってきます。
ポリーシートを外します。
和菓子?よね?生クリームの甘い香りが漂って混乱しました。まるでボンボンショコラのような佇まい。とてもきれいです。
上段のホワイトチョコレートを使ったもの。商品説明によると「ホワイトチョコの和の生チョコに、ストレガと完熟梅を練りこみ、ピスタチオとカシューをのせ、まるでレアチーズの様に仕上げて」あるとのこと。
滑らかな口当たりが官能的。まろやかなミルクの香りに洋酒の香りが優しく響き、梅のフルーティーな酸味が余韻に至るまで響きます。水分を含んで柔らかくなったナッツが旨味と清涼感、歯ごたえにアクセントをもたらします。
味の厚みは十分。これはもう和菓子枠と考えてはいけないんだろうな。和洋の壁を越えての挑戦と受け止めまししょう。
ガナッシュと比べると余韻が少ないけれど、常温保管で10日以上の日持ちがあるのは他に代えられない魅力です。
中段は、特殊な製法で出来た和風ガナッシュの上に、短冊状に切った乃し梅が貼られたたまゆらをベースにしたもの。銀粉が軽く散らされて、より美しくなりました。商品説明によると「銘菓『乃し梅』を白あん、寒天を用いてかため、カルヴァドスで香りづけた和の生チョコにのせた大人仕様の『たまゆら』」とのこと。
おいしい。たまゆらの和風ガナッシュの口当たりの滑らかさと乃し梅のみずみずしさはそのまま、こちらはカルヴァドスの香りでより厚みのある味に仕上がっています。そして梅の余韻が力強いこと。チョコレートの香りに寄り添うようにして梅の酸味が口に長く残ります。日本人の場合、梅干しによって培われた梅香の感受性の強さが多分に影響してそうだけど。ああ、おいしいなあ。
下段は和風ガナッシュにカカオニブがトッピングされたもの。商品説明によると「和の生チョコに仁井田家の酒粕と『自然酒』を練り込み、カカオニブのチュイルをのせ、苦味と酸味の際立つ組み合わせ」とのこと。
3種類目ともなると、和の生チョコを舌が普通に受け入れてしまっています。酒粕と日本酒がお米のフルーティーな香りを放ちます。その透き通った香りゆえに白餡とチョコレートの香りが鼻につきそうになるのですが、カカオニブのキャラメル掛けがうまくバランスを取っています。チュイルは水分を含んでやわらかくなっていました。
味の組わせは好みでしたが、上段と下段のトッピングが水分を含んで柔らかく、食感が気になりました。ガナッシュのように水分が油脂で包まれていないから、カリッとしたトッピングにするには工夫が必要な様子。見える課題があるならば、ファンとしては次作がなお楽しみということで。
お値段は2,160円。
総合点:☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆
値段:☆☆☆
その他:洋菓子のような華やかさに心が踊りました
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製品名:はなごころ
種類別名称:和菓子
原材料:チョコレート、ホワイトチョコレート、生クリーム、白あん、砂糖、梅肉、カカオニブ、牛乳、バター、ストレガ、酒粕、寒天、トレハロース、寒天加工品、レシチン、(原材料に、乳、大豆ふくむ)
内容量:6個
製造者:(株)佐藤松兵衛商店
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