Meicianさんのブログ◆ Langue de chat ◆で紹介されていたので興味を持ち、図書館にあったのを取り寄せてみました。「チョコレート町1番地」は筒井敬介氏の著書で、絵は小野かおる氏の青い鳥文庫です。
話の舞台は大変貧しい暮らしをしている町です。物の値段が高く、働き口がなく住民は貧困にあえいでいます。さむいさむい冬なのですがストーブは夕方に一度燃やすだけ、白いパンは何ヶ月も食べていません。初出版は1946年ということなので、終戦直後の時分です。設定のいくつかは日本が本当に貧しかった時代を踏まえているのかもしれません。
そんな貧しい町がチョコレート会社の社長さんに町ごと買い取られ、そしてその町ではチョコレートがお金のように扱われます。住民はチョコレートの工場で働き、賃金をチョコレートで貰うようになります。チョコレート工場で働けばアパートの家賃も無料です。町中がチョコレートの香りに包まれて、子供たちも甘いチョコレートにありつけて、みんなが幸せになります。
チョコレートの町といえば、アメリカのペンジルヴァニア州にチョコレートの町ハーシー(Hershey)があります。名前からわかるとおりハーシーチョコレートの企業城下町です。
ハーシーはチョコレートの収益で巨万の金を手にし、その金でコミュニティを建設し、銀行・デパート・学校・教会・ホテル・コミュニティセンター・動物園・ゴルフコース・市外電車路線を作ってチョコレートの町が形成されていったと言われています。町には「チョコレート通り」や「ココア通り」が走り、板チョコレートにそっくりな歩道が巡り、キッスチョコの形をした街灯が並ぶそこはハーシーの夢の町なのです。
「チョコレート町1番地」の物語もハーシータウンも、その後似た運命をたどります。
そのあたりはハーシーのメーカー説明の時にでも詳しく扱いたいと思います。
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