パリの老舗ショコラティエ、ボワシエの顧問をしていたパティシエ、クリスチャン・ヴォーティエ ル・コンセプト(Christian Vautier Le Concept)が日本に店舗を構えたのは福岡博多でした。地下鉄中洲川端駅は博多チョコレート発祥の地とされているのですが、駅ビル博多リパレインのB2にはゴディバ(GODIVA)、ザ・ペニンシュラ ブティック(The Peninsula BOUTIQUE)が揃い、現在でも博多のチョコレートの中心地となっています。
さて、リバレインビルのエスカレーターを下っていくと否応にでも目に入るのは、マカロン色のパティスリー。広々とした店内は大きく3つのブロックに分かれて、右手にコンフィーユやハニーなどの瓶類や焼き菓子類、正面にケーキやマカロン、生キャラメル、チョコレートのショーケース、左手がイートインスペースとなっています。
これまた、ショップがすごくかわいい。白を基調にベビーピンクとバイオレットピンクとライムカラーが配色されています。贅沢な空間は福岡という土地だからということもあるんでしょうが、なんて美しいパティスリーなんでしょう。
ショップの前に置かれたマカロンの椅子もすごくキュートなんです。
こちらのイートインでいただいたのはヴァニーユ。初めてのホワイトチョコレートのショコラショーです。
ぱっと見はホットミルクセーキみたいですが。
ホワイトチョコレートだからこそ目立つ、表面に浮いたバニラビーンスをご覧ください。これだけでどれだけ香り高いか想像できるでしょう。写真を撮りながらも香りが鼻をくすぐります。
温ためたミルクにホワイトチョコレートを溶かしベースを作っています。それにたっぷりのバニラビーンズ。見た目ミルクセーキですが、飲んでみると本当にまろやかで上質なミルクセーキを思わせます(一瞬ショコラショーであるのを疑うくらい)。まさか卵は入っていないでしょうが、ホワイトチョコレートがミルクの香りに厚みを出し、それにバニラビーンズが入るので、組み合わせはかなり近いのでしょう。しかし、実においしい飲み物です。温かさと滑らかさが体に染みて、心が休まります。ショコラショーとしては反則の味だと思いますが、一度は白いショコラショーもいいんじゃないかしら。
お値段は1260円。
総合点:☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆☆
苦味:
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆☆☆
値段:☆☆
その他:底に残ったバニラビーンズもプチプチとおいしい
そしてこちらが、クリスチャン・ヴォーティエ ル・コンセプトで人気のボンボンショコラ。上から時計回りに、栗の木のハチミツ、シナモン、セサミです。
「栗の木のハチミツ」は「ハチミツの香りをブレンドした甘さと香りが際立つ一粒です」。
蜂蜜のチョコレートと言えばパレドオール(PALET D’OR)を連想します。あちらは砂糖の代わりに使っているのでガナッシュが全体的に香りますが、砂糖を使ったチョコレートの質感に近づけているために軽い食感でした。しかし、こちらは蜂蜜のフレーバーを中心においているため口当たりも粘度を帯びて生キャラメルのようなねっとりとした感じがあります。そして蜂蜜の香りも鮮明でチョコレートにフローラルな華やかさを添えています。明らかに方向性が違うのでパレドオールと比較しても始まりませんが、個人的には蜂蜜のチョコレートは斯くあるべきだと思わせます。
総合点:☆☆☆☆
外観:☆☆☆
苦味:☆☆
甘味:☆☆☆☆
風味:☆☆☆☆
値段:☆☆☆
その他:生キャラメルのような食感も楽しい
「シナモン」は「シナモンの後味が心地よい、クリーミーな口どけのチョコです」。
さらりと舌の上で溶けていく様子は、さすがにフランスの上質なチョコレートです。甘味が抑えられてシナモンの風味が強く立ち上がります。香りによって甘味の強弱が上手くコントロールされているところが私の好みに合います。樹皮から作られるシナモンには甘さの中にかすかな辛味が混在し茸にも通じる土の香りがあります。ナッツやカカオの深みのある香りは、シナモンの、こちらもやはり重い香りとよく調和しますが、どちらも重さを感じるものなのでそこは重厚に味わいたいのです。だから甘さを極力抑えて、シナモンの辛さまでを味わえるようにしているこの「シナモン」は大正解。
総合点:☆☆☆☆
外観:☆☆☆
苦味:☆☆☆☆
甘味:☆
風味:☆☆☆
値段:☆☆☆
その他:渋さを求める方へ
「セサミ」は「黒ごまの粒をぎゅっと一粒に閉じこめたチョコ」です。
なんとも個性的な二品を頂いた後に、ますます個性的にならざるを得ない「セサミ」の登場です。見るからに黒ゴマが混ぜ込んである様子なのですが、半分に噛み切ってみたらミシミシとゴマが響きました。中はまるでジャンドゥーヤかと思うような香ばしいフレーバーのプラリネです。甘めに仕上がっていて、カカオにゴマの苦味が加わります。ここまで濃厚なゴマ風味も珍しく、やはりこれもかなり個性的な一品なのでした。
総合点:☆☆☆
外観:☆☆☆
苦味:☆☆☆
甘味:☆☆☆☆
風味:☆☆☆☆
値段:☆☆☆
その他:ゴマも濃縮するとナッツのようです
クリスチャン・ヴォーティエのチョコレートはどれも味のはっきりしたものばかり。これは確かに九州人の方が受けが良いかもと思ったりしました。少なくとも私にはとてもおいしいチョコレートでしたから。イメージに近いのはピエール・エルメです。
フランス直輸入のガナッシュは315円です。
住所:福岡県福岡市博多区下川端町3-1 博多リバレイン イニミニマニモ B2F サロン・ド井筒屋U
電話:092-262-3102
営業時間:10:00~20:00
定休日:無休
12月4日に松屋銀座のB1にテイクアウトのコーナーが入ったそうです。
コメント
ボンボンショコラもホワイトチョコのショコラショーも気になりますが
一番目を惹いたのはマカロンの椅子☆
おしゃれだし座り心地もよさそう。
マカロンってば、座り心地もぷわぷわしてなかなかなのよ。
あそこのドリンクは実に美味しかったので、
また機会があれば他のも試してみたいです。