ボナ(Bonnat)は、125年にわたって愛されているフランスの老舗チョコレートメーカーで、カカオ豆は世界の優秀な契約農園から買い付け、自家焙煎し、香料やレシチンを使わない昔ながらの製法で高品質なクーベルチュールを作っています。そもそもフランスでクーベルチュールを作るブランドは(巨大製菓メーカーを除くと)3つしかないらしく、ボナの他はベルナシオン(BERNACHON)とプラリュ(PRALUS)だそうです(有名なクーベルチュールメーカーの一覧はこちら)。
工場やラボの様子が公式ホームページ(本社)のヴァーチャルコーナーで見ることができます(画面内をドラッグして視野を変えられます)。
さて、そんなボナがフランス本社の次にオープンさせたのが日本、広尾店です。
東京メトロ広尾駅の2番出口から出て広尾商店街の通り、広尾プラザに入る入口にあります。向かいはスタバ。
ディスプレイの撮影を断られるショップも多い中、気軽に許可をいただきました。
奥のほうにはケーキもあります。
イートインできるスペースもあるので次回はゆっくりケーキも頂きたいわ。
さて、今回購入したのはボナのクーベルチュールです。
ここまでクーベルチュールのことを書いていくと、当然ミッドタウンで買ったNOKAのコレクションが思い出されるわけで、あの時食べたお高い!!クーベルチュールとボナのチョコレートを食べ比べてみたくなって手に取りました。
グランクリュ。NOKAと同じシングルビーンズのチョコレートです。
1種類のカカオ豆だけを使うシングルビーンズ チョコレートは、本当に良質のカカオでしか作れないといわれています。
ボナ社は1904年に世界で初めてシングルビーンズ チョコレートの製造に成功しています。そして、創業100周年を迎える、1983年に新たに“グラン クリュ”の名でカカオの産地別に7種類*のシングルビーンズ チョコレートを発表。1985年のパリ、アンテルシュックの展示会でブルーリボン賞(最優秀賞)に輝きました。以来この“グラン クリュ”シリーズは、ボナ社を象徴する高品質のタブレットとして世界中のチョコレートファンを魅了し続けています。
手にしたのは「グラン クリュ ドミノ 16」、8種類のシングルビーンズが2枚ずつ入っています。
箱を開けると一口サイズのチョコレートが8種類、銀紙にはシングルビーンズの名前が書いてありました。
左上からコートジボアール(Cote d’lvoire)、マダガスカル(Madagascar)、セイロン(Ceylan)、トリニテ(Trinité)、チュアオ(Chuao)、エクアドル(Equateur)、プエルトカベーロ(Puerto Cabello)、ハシエンダ エル ロザリオ(Hacienda el Rosario)です。
各チョコレートにはBONNAT VOLRONのロゴがあります。
コートジボアール(Cote d’lvoire)はアフリカ象牙海岸のカカオ豆。香りが弱く、渋いタバコの香りと栗のまろやかさがある味です。ぼんやりした風味。
マダガスカル(Madagascar)は東アフリカ、インド洋上のマダガスカル島のカカオ豆。香りは強くありません。フルーティーな酸味で食べやすい味ですが、やや癖のある香りがあります。
セイロン(Ceylan)はインドの南、インド洋のセイロン島のカカオ。フルーティーな酸味とラプサンスーチョンのような独特の香りがあります。これは好き嫌いが分かれる味。
トリニテ(Trinité)はカリブ海アンティユ諸島のカカオ豆。爽やかな香り、酸味の強さ、タバコの香りがします。リンツのビターは間違いなくこの系統。
チュアオ(Chuao)はベネズエラ産のカカオ豆。強めのすっきりとした酸味とタバコの香りがあります。味の強さが特徴でしょうか。
エクアドル(Equateur)は南米エクアドル産、柔らかいフルーティーな酸味があります。心地よい、とても繊細な優しい味です。
プエルトカベーロ(Puerto Cabello)の南米ベネズエラ産のカカオ豆。フローラルな香りと爽やかな酸味、癖のない苦味があります。すっきりとした甘さです。後を引かない香りです。
ハシエンダ エル ロザリオ(Hacienda el Rosario)もベネズエラのロザリオ農園のカカオ豆。これは申し分ない味。フローラルな香りに程よい酸味、それに上品な甘味が加わった最高の味です。これが一番おいしい。香りは長く後を引きます。
親切なことに味の系統にそってきちんと順番に並んでいるようです。
コートドボール、マダガスカル、セイロンはタンニンの香り、トリニテ、チュアオは酸味苦味共に強い味の濃さ、エクアドル、プエルトカベーロ、ハシエンダ エル ロザリオには癖の少ないフローラルな香りに特徴があります。
お値段は16枚入って3000円。
ここまで産地別にテイスティングができるチョコレートは他にありません。つくづく悔やまれるのは、これを食べてからノカを食べるんだったなと言うことです。両方食べた者から言わせると、こちらを食べたらノカを食べる必要はまずありません。あちらを宝石のような価値として贈られるなら別ですが、味わいと興味で食べるならボナのほうが遥かに価値があります。だって味のレベルは変わらないし、同じ値段で種類は倍だし、一種類の量がノカの4倍あるし。
さらに言うと、ボナを食べた今ノカの味を振り返るとあれが特別なものではないと、はっきりわかるんですよね。むしろ、ボナじゃないのかと疑いたくなります。ノカの店員さんはアメリカのダラスで作っていると言っていましたが、それも成型だけじゃないのかと思ってしまうのです。だって、リッツカールトン カフェ&デリのオリジナルキャレはヴァローナだったし、ザ・ペニンシュラブティクのキャレはカオカでした。どちらもオリジナルのクーベルチュールだといわれましたが、中はヴェローナとカオカ。もちろん、そういったクーベルチュールメーカーにオリジナルの味を作ってもらっているかもしれませんが、店頭での話とは所詮そんなレベルだということです。
少なくとも私の味覚では、ノカとボナに違いはありませんでした。
総合点:☆☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆☆
苦味:☆☆☆☆☆
甘味:☆
風味:☆☆☆
値段:☆☆☆☆
その他:ノカと比べると遥かにお得
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製品名:グラン クリュ<ドミノ 16>
種類別名称:チョコレート
原材料:カカオ、ココアバター、砂糖
内容量:83g(16枚)
原産国:フランス
輸入者:(株)プレジール セレクション ジャパン
販売元:(株)ボナ ジャパン
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コメント
広尾のショップが閉店しています。
オンラインショップも9月28日からストップしているのを確認しました。
なんて面白いブログなのでしょう!本当に興味深いです。
今からBONNATチョコを通販で買おうと思い、何にしようか迷っていたらLOVECHOCOさんのブログにたどりつきました。
やはりちょっと高いけど
プエルトカベーロ、マダガスカル、セロイン、エクアドル、トリニテ を買おうと思います。
広尾のお店はなくなってしまったけれど、また新たにボナのチョコレートの取扱いをしているお店がちらほらあるようですね。
もう大分前の記事なので、また改めてテイスティングしてみたいです。