以下の国内の3大定番チョコレートを食べ終わったところで、それぞれの特徴を整理しておきます。
- 森永製菓:森永ミルクチョコレート
- 明治製菓:明治ミルクチョコレート
- ロッテ:ガーナ ミルクチョコレート
まずは、どれもミルクチョコレートであるところが共通点でしょうか。
各ミルクチョコレートの特徴を洗い出すにあたり、発売のエピソードから見て行きたいと思います。
森永は創始者森永太一郎がアメリカから帰国して19年後にアメリカ人技師を招き、カカオ豆からのチョコレート一貫製造ラインを立ち上げて1918年初の国産ミルクチョコレートを生産開始しました。明治はドイツからチョコレート技師ロバート・キャスパリ氏を招いて1926年にミルクチョコレートを発売しました。ロッテはそれまでガムの専業メーカーだったのが、ガム以外の初めての商品としてチョコレートを手がけ、スイスのマックス・ブラック氏を招いて製造技術の指導を受けて1964年ガーナミルクチョコレートを発売しました。
つまり、森永はアメリカ、明治はドイツ、ロッテはスイスと各国のチョコレート技師を招いて生産ラインを立ち上げています。当然そこには元になったメーカーがあるに違いないので、そこの特徴を引き継いでいるものと考えられます。例えば、ロッテはスイスが発明したコンチングの技術に強く、口溶けの滑らかさに特にこだわりをもっています。もちろんロッテ以外もそれぞれの売りを持っていて、森永は国産チョコレートとしてのパイオニア的存在、明治は1926年の発売以来「ピュアチョコレート」であることを売りにしています(ちなみに森永ミルクチョコレートもピュアチョコレートです。ガーナは植物油脂を使っているため、その規格からは外れます)。
次に、製品の詳細を比較してみましょう。
<原材料>
- 森永ミルクチョコレート:砂糖、カカオマス、ココアバター、全粉乳、乳化剤(大豆由来)、香料
- 明治ミルクチョコレート:砂糖、カカオマス、全粉乳、ココアバター、レシチン(大豆由来)、香料
- ガーナ ミルクチョコレート:砂糖、カカオマス、全粉乳、ココアバター、植物油脂、乳化剤(大豆由来)、香料
<内容量>
- 森永ミルクチョコレート:65g
- 明治ミルクチョコレート:65g
- ガーナ ミルクチョコレート:70g
<カロリー>
- 森永ミルクチョコレート:370kcal(100gに換算すると569kcal)
- 明治ミルクチョコレート:363kcal(100gに換算すると558kcal)
- ガーナ ミルクチョコレート:392kcal(100gに換算すると560kcal)
<外装>
- 森永ミルクチョコレート:チョコレートを包んだ銀紙の上から外装用の紙で一周巻いてある
- 明治ミルクチョコレート:チョコレートを包んだ銀紙の上から外装用の紙で一周巻いてある
- ガーナ ミルクチョコレート:チョコレートを包んだ銀紙が外装の箱に入っている
<ブロックの大きさ>
- 森永ミルクチョコレート:最も大きく平たい(広さはガーナの倍ぐらいある)
- 明治ミルクチョコレート:大きさは中間で平たい
- ガーナ ミルクチョコレート:小さめでブロックに高さがある
最後に、肝心の食感・味について比較します。
<口溶け>
- 森永ミルクチョコレート:滑らかで軽い
- 明治ミルクチョコレート:滑らかで軽いが、最後にややザラツキを感じる
- ガーナ ミルクチョコレート:滑らかだが、喉に絡むほど粘りがある。
<味>
森永ミルクチョコレート:全ての味に角がないため、風味が一番弱く感じる。後に残るミルク感は明治より強い。
明治ミルクチョコレート:森永と非常に似ているがやや甘みや芳しさに角がたつ。香りは弱い
ガーナ ミルクチョコレート:他のと明らかに違うミルクの香りが際立つ。粘り、甘み、香りが長く口の中に残る
その他、小さいことですが、森永だけ外帯を展開したとき製品面の表裏で天地を変えていました。校正時に面倒だろうと思いますが、日本的な細やかさを感じました。ロッテのガーナにはベルマークがありませんでした。
どれも歴史のある100円板チョコレートとして良く似た製品ですが、改めて比べるとそれぞれに特徴があるものですね。私はこの中で言うと明治のミルクチョコレートが、食べやすくて好きです。
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