ショコラティエのM.O.F.のフィリップ・ベル(PHILIPPE BEL)氏は「率直な美味しさで人々を驚かせるショコラ作り」を信条として、自らカカオ豆を仕入れ、クーベルチュールから手がけるこだわりのショコラティエです。アルチザン(職人)ならではの「本物のショコラ」を提供します。現在はリヨン郊外のモンブリゾンという小さな街にショコラトリーを構えています。
伊勢丹のサロン・デュ・ショコラでは、セミナーにも参加しましたが、職人っぽい細部にこだわる繊細さと陽気なお人柄がとても印象的でした。
そんなこだわりのチョコレート詰め合わせが、こちら。シックな箱のデザインがすごく好み。きれいです。
中には12種類の粒チョコレート。底に3枚キャレが入っています。この飾り立てずに、きっちり詰められた感じがいかにも職人っぽいです。しかし、これだけの種類を詰め込むなら、アソート(お勧め)というより全部出しなんじゃないかと・・・。
粒チョコレート12種類(+板チョコ3種類)を一辺に食べるのはさすがにもったいないので、4個ずつ分けて紹介します。ちなみに、フランスのショコラティエにありがちですが、個々の細かな情報はさっぱりです。
さて、今回紹介するのはこちらの4種類。
最初はビターチョコレート。
中にはアーモンドのマジパンが詰って、もっちりとした食感があります。マジパンのすっきりとしたナッツの甘味にアールグレイのようなフローラルな香りがあり、それをビターチョコレートの苦味で引き締めています。
総合点:☆☆☆☆
外観:☆☆☆
苦味:☆☆☆
甘味:☆☆
風味:☆☆☆
その他:1個目から独特の味
2個目は、長方形のビターチョコレートで、表面にポツポツと細かなチョコレート粒が散らしてあります。
コーティングの中もビターチョコレートのガナッシュですが、スパイスでフローラルな香りがたっぷり詰っています。柑橘系の香りはアニス、清涼感はシナモンのようです。甘い香りに包まれますが、しっかりとしたビターチョコレートの苦味が冴えていて、甘味もじんわり広がります。表面に散らされた粒は、カカオ豆の粗引きでしょう。食感にアクセントを添えています。
総合点:☆☆☆
外観:☆☆☆☆
苦味:☆☆☆☆
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆☆
その他:スパイスが咲いています
こちらのビターチョコレートはコーティングに車輪のようなマークが型押ししてあります。
中もビターチョコレートのコーティング。いろんな味がしますよ。どうもこれが新作のエピスっぽいですね。シナモン、ナツメグ、コショウ、アニスは強く分かりますが、その他は謎。スパイスたっぷりですが、かなりまろやかに仕上がっていて、食べやすく、その辺りにフィリップ・ベル氏のマジックを感じます。
総合点:☆☆☆☆
外観:☆☆☆
苦味:☆☆☆☆
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆☆☆
その他:香りが甘めにできています
今回の紹介の最後はフィリップ・ベルのロゴ入りビターチョコレートです。
ロゴ入りってところに緊張しながらの実食です。コーティングからの香りはあまりしません。中はプレーンなビターチョコレートのガナッシュ。クーベルチュールを作るベル氏の飾り気のないこだわりが詰っているってことでしょうか。口溶けの柔らかい、とてもまろやかなガナッシュです。コーティングと一体となって口の中に広がります。焦がしたミルクの香りが優雅に漂います。すっかり夢見心地。
総合点:☆☆☆☆☆
外観:☆☆☆
苦味:☆☆☆☆
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆☆
その他:キャラメルの香りがポイントね
明日に続きます。
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