2022年5月13日、東京・田町駅に直結する森永プラザビルの立替えが決定したとのニュースを見ました。森永プラザビルは1974年、日本初のチョコレート工場(芝田町工場)があった場所に建てられました。芝田町工場では日本で初めてカカオ豆から一貫製造されたチョコレートが作られました。大正7年10月から発売されている森永ミルクチョコレートです。田町駅前のあの場所は、日本のチョコレート史の聖地というべき場所なのです。
新しいビルの開発規模や完成時期の報道はありませんが、田町駅西口が様変わりすることはまちがいないでしょう。立替えの間、森永製菓は港区芝浦に新設するビルに移転するそうです。
そんな思いを抱えながら、スーパーで森永製菓の森永チョコレート カレ・ド・ショコラ クラシックビター(MORINAGA Chocolate Carré de chocolat Classic Bitter Cacao 55)を買いました。
商品はフィルム包装されていて、品質に安心感が得られます。パッケージは紙製の窓つき蓋身一体型の折り箱。ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン(Nicolai Bergmann Flowers & Design)とのコラボレーションパッケージです。青と金色を基調にしたデザインがとても華やかです。
蓋を開くと整然と並んだチョコレートが現れます。特別パッケージとはいえ、300円そこそこのチョコレートとは思えないこの品格。日本のパッケージ技術って本当に怖いくらいです。
古くは唐櫃や禅画を装丁する流れから始まった日本伝統の包む文化。耳あたりの良い流行り言葉に囚われて、こういう文化を破壊しないよう気をつけましょうね。技術が途切れたら元には戻りませんよ。
商品説明によると「カカオ55%のしっかりしたカカオ感とベネズエラ産カカオの華やかな香りの両方を愉しめる本格ビター、カカオ由来の原料にこだわり、カカオ本来の持ち味を引き出した傑作です」とのこと。
チョコレートなのに、わざわざカカオ由来の原料とは?と意味がわからなかったのですが、原材料を見て納得。バニラとかではなく、カカオ香料が使われていました。
チョコレートの原料はカカオ豆、つまりカカオの木の種の部分ですが、最近のトレンドでは、今まで注目されていなかった種以外の部分を活用した商品がたくさん生まれてきています。果肉をジュレにしてボンボンショコラの中身にしたり、果肉の糖分を甘味料として使ったり、カカオ豆の薄皮(カカオハスク)からエキスを抽出したりと様々な試みがなされています。きっと、このカレ・ド・ショコラもそのひとつなんですね。
質感も光沢も美しい包み紙を開くと、正方形のチョコレートバーが現れます。カレ・ド・ショコラとは四角いチョコレートという意味です。表面に商品名とロゴが入っています。整形も光沢も刻銘も全てが完璧。企業努力の結晶というべき品質に軽くめまいがするほどです。私が海外からの旅行者なら、カレ・ド・ショコラを箱買いしてお土産に持って帰るに違いありません。
このところ気温が上がってきたので、冷蔵庫の野菜室で冷やしてから食べました。軽く噛むと口の中の体温ですぐさま滑らかに溶けていきます。深いロースト感のあるカカオ香に続いてフローラルな香りが広がります。甘い香りが長く後を引きました。砂糖を入れたコーヒーの香りにも似ているような気がします。これがカカオ香料かもしれませんね。
お値段は322円。
総合点:☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆☆
苦味:☆☆☆
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆
値段:☆☆☆☆☆
その他:限定パッケージでした
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製品名:森永チョコレート カレ・ド・ショコラ クラシックビター
種類別名称:チョコレート
原材料:カカオマス(国内製造)(ベネズエラ酸カカオ豆44%)、砂糖、ココアバター/乳化剤、カカオ香料、(一部に乳成分・大豆を含む)
内容量:102g(21枚)
販売者:森永製菓(株)
製造所:高崎森永株式会社
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