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引網香月堂;ラバーズ・カバーズ・スイート

商品

引網香月堂(ひきあみこうげつどう)は大正8年(1919年)に富山県高岡市に創業した老舗の和菓子店です。最もよく知られた銘菓「万葉の梅園」は国産の古城梅を使ったもの。地元高岡市は奈良時代の歌人で『万葉集』の編纂に深く関わった大伴家持が国守として赴任した地であることから名づけられました。

松屋銀座のバレンタイン催事、ギンザ バレンタイン ワールドで引網香月堂バレンタイン限定上生菓子ラバーズ・カバーズ・スイート(Lovers Covers Sweets)を買いました。
パッケージは経木容器に音楽CDがデザインされた巻紙がついています。

4代目引網康博氏の Instagram の投稿によると、和菓子の伝統として古典や和歌を元にアイディアを練るところを、現代の風俗で取り組んでみようとの発案から生まれた商品だとか。

確かに。古典だって昔から古典だったわけではなく、創作された時代には新作であり当時の歌だったわけですもんね。それに、今の時代はアイロニーや反語表現、行間を読むような遠回しな表現の通りが悪く、悲しいほどにわかりやすさが求められるようになっています。まさに映え文化。teamLab のようなストレートな表現が注目される時代です。古典の知識を持つ世代がこれから爆発的に増えるようなことが期待できない以上、今後、本商品のような試みがますます必要になることでしょう。もちろん、読み解く楽しみも続いてほしいから、そこは並行して発展してもらいたい。
いずれにせよ、こういう共通認識を踏まえた文化の重層的な食の楽しみはなかなかパティスリでは味わえません。和菓子の強みを存分に堪能したいと思います。

箱の中には4種類の上生菓子が入っています。個々に上生菓子用の容器に入っていて運搬時も安心です。写真付きでそれぞれの説明がついたリーフレットもついていました。この辺も輸入物にはあまり期待できない細やかさです。作り手が表現したものを購入者にしっかりと届けようとしているところに好感が持てます。

「月の裏を夢見て」は黄身時雨です。二色の粒が寄り添うようにトッピングされています。商品説明によると「異質なものが寄り添うように。黄身餡そぼろ、ピスタチオ餡と生チョコ」とのこと。

仰天。心が二層になってました。うぐいす色のピスタチオ餡とガナッシュです。和菓子でこんなの見たことありません。とろけるような口当たりで餡がほどけ、優しい甘さが広がっていきます。気だるい空気感のある曲を聴きながら頂くと、一層心にしみるのでした。
こんなの感激してしまう。和菓子界、まったくもって目を離せない。すごいね。

「探し出してくれて ありがとう」は白い金団です。商品説明によると「どこにも埋もれずに、心惹かれるルビーチョコ。きんとん製 心にリンゴ餡」とのこと。

白いきんとんにルビーチョコが添えられたとても上品なルックスです。心が林檎なのに気がついて笑ってしまいました。改めて眺めると輝くほどに可憐で。さては相当のファンだなと、再びふふふとなりました。柔らかい甘さの白あんにリンゴの甘酸っぱさ、後味にルビーチョコレートがベリーのような香りを広げます。

「重ねた日々が」はカカオよごとがベース。商品説明によると「甘酸っぱいクランベリーと、夢に向かう虹を表現しました」とのこと。

よごとは和のバームクーヘンとして考案されたもので、『万葉集』の「新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事 大伴家持」から銘をとったものです。新年の雪のように層が積み重なっています。よごとのカカオは昨年初めて食べて、和菓子の世界でチョコレートが新しい顔を見せてくれるのに感激しました。
カカオの深い色に金色が輝いてきれい。黒糖とチョコレートが生み出す深みのある甘さにクランベリーが華を添えつ酸味で味を引き締めています。

「音の中で」は白い煉切です。商品説明によると「時とともに散る花と、流れる譜面をイメージして。煉切フランボワーズ、カカオ餡」とのこと。

爽やかだなあ。私が抱いている印象よりも遥かに爽やかなルックス。そうか藤色なのか。白あんがシャリシャリと軽い歯ごたえをもたらし、カカオ餡がやさしく口の中でほどけてチョコレートの香りが広がりました。

お値段は2,160円。
総合点:☆☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆☆
値段:☆☆☆☆
その他:和菓子にもはまってしまいそう、怖い

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