チョコレートにあう中国茶の3回目は、中国茶の中でも飲みやすいキームンです。ダージリン、ウバと並ぶ世界三大銘茶の一つです。「キームン」「キーモン」とも呼ばれます。
一般的には聞き慣れない名前かもしれませんが、いわば普通に出回る紅茶のことで、例えばトワイニング社はキーマン茶を主体にしたブレンド茶をプリンス・オブ・ウェールズとして販売しています。
こちらは上海の茶香園で求めたものです。
所々に茶色のものが混ざっていますが、これはゴールデンチップスと呼ばれる新芽。フレッシュな状態では白い産毛がついていて醗酵した後も他の茶葉と異なり色が薄くて茶色に見えるのです。ゴールデンチップスが混ざっているのが最高茶葉の証です。ちなみにトワイニングの商品名でも見かけるオレンジ・ペコというのは新芽の下の葉、つまり上から2番目の葉のことです。
キーマンは「中国茶のブルゴーニュ酒」という別名を持つように、渋みが抑えられたあっさりとした味が特長です。これは苦み成分のタンニンが、他の紅茶葉と比べて少ないからです。カフェインも少ないので、イブニング ティーにも向いているといいます。一般に紅茶は茶葉を摘み取った後、天日で乾燥させて積み上げて醗酵を促しますが、キーマンは炭火で乾燥させるという贅沢な工程を経ています。そのため粗悪品だとスモーキーなものがあります。
まあ単なる紅茶ですから、チョコレートに合うのも納得できるかと思います。お茶自体に甘味があるので、お湯を継ぎ足すごとに香りが弱まり甘味が増します。柔らかい新芽で作られたキーマンはさっぱりとしているのでどんなお料理にも合うし、ブレンドティーのベースには最適です。うちでは緑茶よりもこちらを楽しむことが多いくらいです。
もちろん、今日のクリスマスケーキもこのお茶でいただきます。
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