パティシエ エス コヤマ(PÂTISSIER eS KOYAMA)は小山進シェフのブランド。小山進氏は、1964年京都市生まれで、2003年兵庫県三田市にブティックをオープン。C.C.C.では2011年から2016年まで6年連続で最高位を獲得し、「味覚の錬金術師」と評される世界的なパティシエ&ショコラティエです。
ススムコヤマズ ショコロジー2016(SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2016)は茶色の化粧箱です。蓋の閉まり具合が絶妙で、そんなところから感激してしまいました。
中はプラスチックのカバーでボンボンショコラが抑えられていて、輸送にも安心なつくりです。個々にラベリングしてあるのもわかりやすい。細部にまで拘り完璧を目指す、作り手の気合が伝わってきます。ボンボンショコラは、No.1 醤油ヌーヴォー、No.2 鳳凰単叢蜜桃香&マンゴー、No.3 コーヒーチェリー(ゲイシャ)&ライチ、No.4 奈良漬プラリネです。
No.1 醤油ヌーヴォーです。商品説明によると「『ペドロヒメネス種』の干しブドウのみから生み出されるシェリー酒『ペドロヒメネス』。その深い甘みとブドウ感に合わせたのが『熟成』によって生まれる日本の伝統的な調味料『醤油』。醤油は、煮切ることで角が取れ、味に丸みが出ます。和をベースにしたフランス料理のようなイメージで、もっと新しい醤油使いが出来るのではないかと思い生み出したマリアージュです。そして、この組み合わせの味わいを最大限に引き出したのは、レーズンやベリーのような酸味と熟成感を持ったコロンビア産カカオの『シエラネバダ・オレ52%』。和の醤油と洋のペドロヒメネス、そこへ南米コロンビアのシングルオリジンのショコラ・オレという新たな要素が加わり、味の『奥行き』や『深み』を、一粒のショコラとして、存分に表現することができました。デコールは、醤油がタラリと垂れている様子をイメージしてい」るのだそうです。商品の説明文からも気合が感じられます。情報を食べさせるというのは、こういうことを言うのでしょう。
口に運ぶ瞬間にふわりと漂うチョコレートの香りが既においしい。口の中の体温で噛む必要もなく勝手に溶けていきます。なめらかで優雅なミルクチョコレートのガナッシュ。醤油の旨みとフルーティーな香りに、ミルクのまろやかさが加わり、とても優雅な雰囲気です。
総合点:☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆☆
苦味:☆☆☆
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆☆
その他:食べている間、極上の時間が流れます
No.2 鳳凰単叢蜜桃香&マンゴーです。商品説明によると「中国・広東省潮州にある鳳凰山の樹齢数百年というお茶の樹から取れる単叢(シングルオリジン)の烏龍茶『鳳凰単叢蜜桃香』。樹齢の長い樹は長い年月をかけ、土中からミネラルをたくさん吸収しています。そんな高いポテンシャルを持つ茶葉は、自然の力を利用した発酵と、熟練の職人の手による火入れの作業によって、桃のようなフルーティで甘い香りをまといます。『この素晴らしい香りを持つ烏龍茶には、マンゴーが合う』と直感し、ボトムはマンゴーのガナッシュの二層構造に。ひと口含めばお茶の甘い香りが静かに広がり、下層のマンゴーの酸味がフルーティな桃の香りを際立たせます。アフターはフルーティな余韻が印象的。力強くも繊細な桃の香りを活かすため、シンプルにプレーンなショコラ・オレ(カカオ分40%)を選びました。デコールは、桃のような甘い香りが特長の烏龍茶に、太陽の光を燦々と浴びたマンゴーが漂う感じを、風を吹かせて表現し」たそうです。
これは文句なし、いや説明いらないくらいおいしくて、感激しました。お茶の香りとマンゴーの香りが連続して漂うのが、何ともいえません。素晴らしいです。ミルク、桃、マンゴーと甘く芳醇な香りが次々と現れては消えていくのが、マッチ売りの少女が目にする幻のよう。口溶けもよく、全てが一体となっています。
総合点:☆☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆
苦味:☆☆☆
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆☆☆
その他:感激しました
No.3 コーヒーチェリー(ゲイシャ)&ライチです。商品説明によると「『ゲイシャチェリー』は、『ゲイシャ』のコーヒー豆の製造過程で外された、赤紫色に熟した大粒の果肉を約2週間かけて天日干し乾燥したものです。いちじくのような濃厚な甘味、プラムやベリーを思わせる深い酸味、花のような香りなどを持ち合わせた素晴らしい素材です。それをフローラルでドライプラムを思わせる酸味を持つペルー・チャンチャマイヨ産のショコラ・オレ48%に合わせました。その立体的な特長を生かために、ボトムにはライチのガナッシュを配しました。上層だけを味わえば黒糖のようなコクのある甘みを感じられますが、ライチのフルーティーさが加わると味に分厚みが出てきます。さらに、作品としての完成度を上げるため、微粉砕した『パナマ・ゲイシャ・ナチュラル』の豆を、コーティングとガナッシュの間に薄く敷き、パンチの効いた酸味とほのかなコーヒーの余韻漂うショコラが完成しました。デコールは、深みのある赤で完熟したゲイシャチェリー(果実)に見立て、さらに風を当てて少しくぼませる事で果肉が種から剥がれた様を表現し」たそうです。
プラムのような香り。黒糖を連想させるコクのある甘さにライチの清涼感が加わります。コーヒー豆が入っているとあったので口当たりを気にしましたが、微粉砕しただけあって口溶けは実になめらかです。さすが。コーティングの一部に厚みがありました。どうやら、表面に風を当てて窪ませた分が厚みになったようです。
総合点:☆☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆
苦味:☆☆☆
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆☆☆
その他:コーヒーチェリーに興味がわきます
No.4 奈良漬プラリネです。商品説明によると「辛口な一般的な物に比べてまろやかな香味を持つ『味淋(みりん)漬』という名が付けられた京都生まれの奈良漬。『発酵』『熟成』を経て素晴らしい味わいが生まれるこの素材を200度以上の高温で1~3秒間プレスするという、日本の最先端の技術である『瞬間高温高圧プレス』にかけ、フレーク状に変身させました。メインはザクッとした食感を残したピエモンテ産ヘーゼルナッツの自家製プラリネとコスタリカ産シングルオリジンのショコラ・オレ40%としながらも、隠し味としてこのために特別に創ったマンゴーのフリーズドライを混ぜ込み、さらに、コーティングの間に発酵後のカカオにパッションフルーツのピューレを加えて二次発酵させて創り出されたショコラを上下に薄く配してエキゾチックなアクセントを加え、その酸味で、より立体的な味わいをデリケートに表現しました。デコールは、土から抜き取られた大根がチョコレートへ溶け込んでいくようなイメージのデザイン」だそうです。
奈良漬けをフレークにしたと聞いただけで、ゾクゾクしました。口に運ぶ瞬間からナッツの香りが漂います。サクッと軽い歯応え。滑らかな口溶け、ザリザリと小気味良い歯応えが楽しい。ナッツやチョコレートの馴染みある味の中から、ちらりと顔を出した奈良漬けの味に思わず顔が緩みました。フレークにされていることで他の香りが消えた後にも余韻に残り、いやが上にも奈良漬の存在感が高まります。で、これがまた美味しい。ここまでおいしいと、ずるいとか訳もなく思えてきます。
総合点:☆☆☆☆☆
外観:☆☆☆☆
苦味:☆☆☆
甘味:☆☆☆
風味:☆☆☆☆☆
その他:この白が大根のイメージだったとは。
お値段は1,728円。
総合点:☆☆☆☆☆
外観:☆☆☆
値段:☆☆☆☆
その他:感動する
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製品名:SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2016
種類別名称:チョコレート菓子
原材料:カカオマス、カカオバター、全粉乳、ヘーゼルナッツ、生クリーム、バター、転化糖、ライチ、ブランシュガー、奈良漬け、マンゴー、パッションフルーツ、醤油(小麦を含む)、コーヒー豆、バニラエキス、洋酒、蜜桃香茶葉、米粉、レモン、バニラビーンズ、麦芽エキス、乳化剤(大豆由来)、バニラ香料、着色料(二酸化チタン、黄4、赤102、青2)、香料
内容量:4個
製造者:(株)パティシエ エス コヤマ
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