立原えりか著の、母と娘の交換ノートという形式で綴られる少女の成長を描いた作品です。
物語はバレンタインデーから始まります。
小学6年生のしおりはクラスの男の子三人と、先生二人にチョコレートをあげる予定だったのに、
同級生に「バレンタインデイに、男性にチョコレートをおくるのは、女性からの愛の告白なんだって。あなたを心から愛していますというかわりに、チョコレートをおくるのよ」と言われて悩み、「この人を愛しているのかしら」と考え込んで、結局、チョコレートを誰にも渡せずに帰宅します。
そんな悩みをいつものようにノートに書いて、帰宅が遅い「おかあさん」に伝えるのです。
母親からもノートへ、しおりの悩みの解決につながるよう、自分の子供の頃の思い出を交えながらの返事が綴られます。
思春期のしおりの悩みは尽きなくて、女の子が成長する時に思い悩むことが次々とおこります。男の子のこと、男女同権のこと、幼馴染のこと、卒業式に着ていくスーツのこと、約束を破ったこと、中学に入っての運動会、受験勉強、そして初恋。
しおりが中学校になってバレンタインデーで物語は終わります。
子供の頃は、男の子への想いより、チョコレートを贈るっていうそのイベント性にドキドキしていたっけ。あの頃好きだったチョコレートは、もっと甘かったな。
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