とうとう始まりました、伊勢丹サロン・デュ・ショコラ2011。開催日の1月26日、私は午後からのトークショー&デモンストレーションに出席しました。
パスカル・ル・ガック(Pascal le Gac)のトークショー&デモンストレーション、「ガナッシュ・フィロソフィー~フランボワーズ・バジル・ペッパーとショコラの美味しい出会い~」です。
シェフのパスカル・ル・ガック氏はラ・メゾン・ド・ショコラでクリエイティブ・ディレクターとして25年にわたり活躍された後、2008年に独立してパリ近郊のサンジェルマン・アン・レー(St Germain en Laye)にショコラトリーを構えました。セミナーではフランボワーズ・バジル・ペッパーを使ったガナッシュの作り方をデモンストレーションされました。
会場では試食として製品2品が配られました。
一つ目は塩キャラメル。こちらはC.C.C.で最高評価を得た実績があります。
会場は暖房が効きすぎていて、こちらのチョコレートはとても緩くなっていました。手が触れただけでミルクチョコレートが指に残りそうなくらい。口に入れるとスッと消えて行きます。なんて素晴らしい口溶けでしょう。香りの強さに驚きます。キャラメルの焦がし香もミルクの香りもしっかり。当然、余韻の長さも抜群です。一粒で充分満足できるおいしさです。
二つ目はジェノバです。フランボワーズ、バジル、花山椒入りのガナッシュで、今回のデモンストレーションはこの製品のガナッシュを作っています。こちらはフランスで作って空輸したもの。
ビターチョコレートのコーティングで会場の温度でも固さをキープしています。バジルのやや緑の混ざるフローラルな香りを先頭にフランボワーズの甘酸っぱい香りが続き、余韻に花山椒の清涼感が続きます。次々に変わる香りのシンフォニーが実に優雅です。一つ一つの風味が調和して、突出していない所に美しさを感じます。全体の香りを包み込み、ビターチョコレートの苦味が味を引き締めています。
2個のボンボンショコラを試食している間に、ガナッシュが出来上がりました。
出来立てのガナッシュはバジルの緑の香りが真っ先に飛び込んできました。明らかに製品のものとは香りの質が違います。華やかです。バジルの後にフランボワーズの酸味を持った甘い香りが続き、粗く砕いた花山椒が奥歯に当った後、その清涼感を感じました。全ての香りがエッジを持っています。酸味があるからか、これだけたっぷりとガナッシュを食べてもさっぱりとした後味です。意外に花山椒の清涼感は後を引きません。製品のガナッシュと比べると、香りの強さ華やかさは魅力的ですが、バジルの緑の強さが気になりました。
コメント